家とタバコと在宅酸素療法

 
家と赤ちゃんを同時に手に入れた。
 
同期の中でワタシは勝ち組。
 
たった一つを除いては。
 
 
 
 
夫の祖母から自宅新築の時に1500万円をもらった。
 
一緒に住むことを条件として。
 
夫の祖母は一軒家で一人暮らしをしていた。
 
夫の母は嫁いでしまったので、余生を一緒に過ごしてほしいと
 
その母から頼まれた。
 
1500万円には税金はかからないらしかった。
 
 
 
夫の祖母はタバコを吸う。それもかなり。
 
しかも酸素ボンベを常に持ち歩いているというのに。
 
始めて祖母の自宅に行ったときに驚いた。
 
行くと酸素濃縮装置からビニールの管が出て鼻まで繋がっている。
 
外出するときは専用の携帯用に付け変える。
 
慢性閉塞性肺疾患という病気で、そうなった原因はタバコだそうだ。
 
 
 
 
歳も歳だし、新築に引っ越してからは体のことも考えてタバコは止めると約束した。
 
はずだった。
 
外でタバコを吸うのはいちいちボンベを切り替えるのが大変だからということで、
 
赤ちゃんのいるリビングで吸っている。
 
部屋の床から50センチくらいのところに煙の層が出来ている。
 
ちょうど赤ちゃんベッドの高さのところだ。
 
止めて欲しいと言っても一向に止めない。
 
夫に言ってもお金を出してもらったことで言えないと。
 
夫の母に相談しても我慢して欲しいと言われるだけ。
 
なんの疑問も持たずに「早く死んで欲しい。」と願った。

 
 
 
一度、携帯用酸素ボンベから自宅用に切り替えるのを忘れて具合が悪くなることがあった。
 
そのとき思い付いた。
 
一週間前、昼寝をしているときに管をイスで潰したら警告音が鳴ってびっくりした。
 
しかし無線で装置を監視しているわけではなさそうだった。
 
今日、夫は出掛けている。
 
ワタシは装置のスイッチをオフにした。










 
 
 
 
 
 




知り合いの新築祝いを届けに行ったら、タバコ臭過ぎてビックリしたので
 
「赤ちゃんのいるリビングで吸っている。」まで話を聞きました。
 
正直、ひどいと思いました。
 
そこから下は私の想像です。
 
  
 
  
 
おしまい。